交通事故の慰謝料はいつ支払われる? 早く振り込まれるためにできること

2024年11月27日
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交通事故の慰謝料はいつ支払われる? 早く振り込まれるためにできること

交通事故に遭った場合、慰謝料がその後の生活の支えになるケースは少なくありません。

しかし、交通事故に遭った被害者が、事故発生から実際に慰謝料などの損害賠償を受け取ることができるまでには、長い期間を要するケースも多いです。少しでも早く慰謝料などを受け取りたい場合は、弁護士にご相談ください。

本記事では、交通事故の被害者は慰謝料などをいつもらえるのか、一部でも先に支払ってもらうことはできるのかなどについて、ベリーベスト法律事務所 小田原オフィスの弁護士が解説します。


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1、交通事故の慰謝料などはいつもらえるのか?

交通事故の被害者は、加害者に対して治療費や慰謝料などの損害賠償を請求できます。

ただし、治療費については随時支払われるものの、その他の慰謝料などは示談成立後に支払われるのが原則です。以下、詳しく解説していきます。

  1. (1)治療費は保険会社が随時支払う

    交通事故の加害者が任意保険に加入している場合は、任意保険会社が「任意一括対応」を行うのが一般的です。

    任意一括対応とは、加害者側の任意保険会社が、自賠責保険と自社の任意保険に係る保険金の支払いを一括して取り扱うことをいいます。

    任意一括対応が行われる場合、治療費は任意保険会社が医療機関に対して随時支払うので、被害者側の自己負担は発生しません。

    ただし、加害者が無保険の場合は、治療費も示談成立後の支払いとなる点に注意が必要です。

  2. (2)慰謝料などは示談成立後の支払いが原則

    治療費以外の慰謝料については、示談成立後に支払われるのが原則です。

    交通事故の示談交渉は、ケガが軽く後遺症がない場合は比較的早い段階から始めることができます。

    これに対して、後遺症を負う可能性が高い場合には、後遺障害等級認定の結果を待ってから示談交渉を行うため、慰謝料などの支払いを受けられる時期はかなり後になってしまいます。

  3. (3)示談が成立しなければ、支払いは先延ばしになる

    加害者側との示談が成立しない場合には、交通事故ADRや訴訟などの手続きを通じて解決を図ります。この場合、紛争解決の結論が出るまでは、原則として慰謝料などの支払いを受けることができません。

    特に訴訟は1年以上に及ぶケースが多く、被害者が慰謝料などを受け取れるまでにかなりの時間を要してしまいます。

2、交通事故の慰謝料などが決まるタイミング

交通事故の慰謝料などの金額が決まるタイミングは、主に以下のパターンに大別されます。



  1. (1)示談成立時

    交通事故の損害賠償請求は、まず加害者側との示談交渉によって行うのが一般的です。

    話し合いがまとまったら、損害賠償の内訳や支払時期・支払方法などを定めた示談書を締結します。示談書が締結された時点で、慰謝料を含む損害賠償の金額が確定します。

  2. (2)交通事故ADRによる和解の成立時

    示談交渉がまとまらない場合は、交通事故ADRを利用する方法もあります。

    交通事故ADRとは、弁護士などの専門家が示談あっ旋などを行う交通事故紛争の解決手続きです。交通事故紛争処理センターや、日弁連交通事故相談センターが交通事故ADRを取り扱っています。

    専門家による示談あっ旋を通じて、被害者・加害者の間で解決に合意したら、その内容をまとめた和解合意書を締結します。和解合意書が締結された時点で、慰謝料を含む損害賠償の金額が確定します。

  3. (3)訴訟上の和解の成立時

    交通事故ADRや示談によって解決することが困難な場合は、裁判所に訴訟を提起して争います。

    訴訟は判決によって終わるのが原則ですが、原告・被告間で和解が成立して終了することもあります。訴訟上の和解が成立した場合は、慰謝料を含む損害賠償の内容が和解調書に記載されて確定します。

  4. (4)訴訟の判決の確定時

    訴訟における審理が熟した段階で、裁判所は判決を言い渡します。

    一審判決に対して不服がある場合は控訴、さらに控訴審判決に対しても納得できない場合は上告が認められています。控訴・上告の期間はそれぞれ判決書の送達日の翌日から14日以内で、この期間が経過すると判決が確定します。また、上告審判決が言い渡された場合にも、第一審または控訴審に審理が差し戻される場合を除いて判決が確定します。

    判決が確定すると、慰謝料を含む損害賠償の金額が確定し、当事者はその内容を争うことができなくなります

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3、慰謝料などの一部でも先に支払ってもらう方法

慰謝料などの損害賠償請求権が確定するまでには、交通事故の発生からかなりの時間がかかります。被害者としては、少しでも早く慰謝料などを受け取りたいところです。

以下の方法によれば、交通事故の慰謝料などの一部を先に支払ってもらえる可能性があります。各方法による早期の請求ができるかどうかにつき、弁護士にご相談ください。



  1. (1)自賠責保険会社に仮渡金を請求する

    自賠責保険については、法令によって「仮渡金」の制度が設けられています。

    「仮渡金」とは、交通事故の被害者が喫緊に必要とする当座の出費をカバーするため、保険金の一部として速やかに支払われる金銭です。

    たとえば、被害者が死亡した場合は290万円、傷害を負った場合はその程度に応じて40万円、20万円または5万円の仮渡金を受け取れます。

    仮渡金は、加害者が加入している自賠責保険の保険会社に対して請求します。仮渡金の請求に必要となる主な書類は、以下のとおりです。

    共通
    • 仮渡金支払請求書
    • 交通事故証明書
    • 事故発生状況報告書
    • 医師の診断書または死体検案書(死亡診断書)
    • 請求者(代理人がいる場合は、請求者=代理人)の印鑑証明書

    被害者が未成年で、親権者が請求する場合
    • 未成年者の住民票または戸籍抄本

    代理人が請求する場合
    • 委任状
    • 委任者の印鑑証明書
  2. (2)自賠責保険会社に対して被害者請求をする

    自賠責保険の保険金は、自賠責保険会社に対して「被害者請求」を行えば、任意保険会社との示談が成立する前に受け取れます。

    被害者請求とは、後遺障害等級の認定や自賠責保険の保険金の受給を、交通事故の被害者自ら申請することをいいます。これに対して、加害者側の保険会社に申請を任せることは「事前認定」と呼ばれています。

    被害者請求は手間がかかりますが、自賠責保険の保険金を早期に受け取れる点や、納得のいく形で申請ができる点が大きなメリットです。交通事故問題の実績がある弁護士に被害者請求を依頼すれば、手続きにかかる時間や労力を大幅に軽減できます。

  3. (3)任意保険会社に内払いを請求する

    示談成立前であっても、任意保険会社によっては「内払い」に応じることがあります。

    内払いとは、加害者側の任意保険会社が被害者に対して、任意保険の保険金の一部として支払う金銭です。保険約款の規定等に基づき、内払いが認められることがあります。

    内払い金は必ず受け取れるわけではなく、保険約款の内容や任意保険会社の裁量によって取り扱いが異なります。内払いの請求に必要な書類も任意保険会社によって異なるので、希望する場合は任意保険会社の担当者へご確認ください。

4、交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼するメリット

交通事故の被害に遭った方は、損害賠償請求について弁護士に依頼することをおすすめします。

交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼することの主なメリットは、以下のとおりです。

① 適正額の損害賠償を請求できる
弁護士は、被害者が受けた損害を漏れなく集計し、証拠を提示しつつ適正額による請求を行います。「弁護士基準」に基づいて客観的な損害額を算定するため、加害者側の提示額よりも損害賠償金(示談金)を増額できる可能性が高いです。

② 労力・時間・ストレスが軽減される
弁護士に対応を一任することで、損害賠償請求にかかる労力や時間、さらに精神的なストレスが軽減されます。

③ 早期解決が期待できる
弁護士が法的な観点から論点を整理して対応することで、損害賠償請求に関する紛争を早期に解決できる可能性が高まります。


早期に弁護士へご相談いただくことで、被害者は治療に専念できるようになり、かつ適正額の損害賠償を得られる可能性が高まります。交通事故の損害賠償請求は、お早めに弁護士へご相談ください

5、まとめ

交通事故の被害者が慰謝料などの損害賠償を受け取ることができるのは、加害者側との示談が成立した後となるのが原則です。示談が成立しなければ、さらに損害賠償を受け取る時期が先に延びてしまいます。

ただし、示談成立前に慰謝料などの一部を受け取れるケースもあります。また、弁護士に対応を依頼すれば、早期解決につながる可能性が高くなります。

ベリーベスト法律事務所は、交通事故の損害賠償請求に関するご相談を随時受け付けております。交通事故の慰謝料などを早期に受け取りたい方は、ベリーベスト法律事務所 小田原オフィスまでご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています