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休日手当は必ず発生する? 労働者が知っておきたい休日労働の基礎知識

2021年06月08日
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休日手当は必ず発生する? 労働者が知っておきたい休日労働の基礎知識

神奈川労働局が公表した報道発表資料によると、令和元年には5248事業場に監督指導を実施し、そのうち約70%の事業場に是正勧告を行ったとしています。是正勧告の対象になった違反の内容としては、労働時間に関するものがもっとも多く、全体の約27%を占めています。

労働時間やその時間に対して発生する賃金や手当については、会社側だけでなく労働者側でも、正確に理解し把握しておくことが望ましいでしょう。
残業時間については、多くの方が気にする事柄といえる一方で、「休日手当」といった特別な手当については詳細なルールを知らず、適正な賃金の支払いを受けられていないというケースも少なくないようです。

本コラムでは、「休日手当」について労働者が知っておくべき基礎知識を、ベリーベスト法律事務所 小田原オフィスの弁護士が解説していきます。

1、休日出勤の基本

  1. (1)休日出勤とは

    休日出勤は、一般的に会社との雇用契約上で休日とされている日に出勤して働くことをいいます。
    たとえば週休2日制で土日休みの会社であれば、土曜または日曜に出勤すれば、休日出勤したことになります。ここで理解しておきたいのが、休日には「法定休日」と「法定外休日」の二種類があるということです。どちらの休日にあたる日に出勤したのかによって、支払われるべき賃金にも違いが生じます。

  2. (2)法定休日と法定外休日の違い

    「法定休日」は、法律で定められている労働者が取得すべき最低限度の休日をさします。
    労働基準法第35条では、使用者は「週に1回または4週間に4日」の休日を労働者に取得させることを義務付けています。特に曜日は定められておらず、会社ごとに業務に最適な曜日を法定休日として設定することが可能です。

    一方、「法定外休日」は、会社が雇用契約や就業規則などで定めている休日のことをさします。
    週休2日制の土日休みの会社であれば、土日の一方は「法定休日」として扱われ、もう一方は会社が決めた「法定外休日」という扱いになります。

2、休日出勤をすれば必ず休日手当は発生する?

休日出勤をすれば、休日手当は必ず出ると思っている労働者の方も少なくありません。しかし、必ず手当が出るというわけではありません。

  1. (1)休日手当は「法定休日」の出勤が対象

    労働基準法では、労働者を法定休日に働かせた場合には、休日労働に関する割増賃金(35%割増)を支払わなければならないと定めています。つまり、休日手当は法定休日に働いた場合にのみ、発生する賃金と考えられます。

    たとえば、土日休みの週休2日制の会社で、土日ともに出勤したというようなケースでは、一日分の労働については休日手当が発生することになります。では、もう一日分の労働はどのような扱いになるのでしょうか。

  2. (2)「法定外休日」の出勤は時間外手当の対象

    法定外休日に働いた場合には休日手当の対象にはなりませんが、時間外手当(残業代)を請求できる可能性はあります。
    労働基準法では、1日8時間・1週間40時間を法定労働時間として規定しています。そして法定労働時間を超える労働に対しては、時間外手当として25%以上の割増賃金を支払うことが定められています。
    そのため平日5日間について8時間ずつ働いて、さらに土曜日出勤したような場合には、土曜日に働いた分は法定労働時間を超えるため、時間外手当を請求できることになります。

  3. (3)休日手当が請求できないケース

    法定休日の制度は、労働基準法の適用のある労働者に対する制度です。
    そのため労働基準法の適用がない「管理監督者」として働く場合には、休日に働いても休日手当を請求することはできません。

    また、法定休日に働いたものの、後日、勤務した分の代わりとして、休みを取得するケースもあるでしょう。このケースでは、休みの取得方法によって休日手当の有無が異なります。

    法定休日に働いたときでも、事前にスケジュールした上で休日と労働日を振り替える「振替休日」を取得していれば、休日手当の支給はありません。これは、休日と労働日を事前に交換しているので、休日に働いたとはみなされないためです。

    一方、事前に休みをスケジュールできないまま、休日に働いて事後的に休みを取得する「代休」を取得した場合、休日労働とは相殺されないので、休日手当を請求することができます

3、働き方によっては休日手当を請求できない?

会社から、「契約上、休日手当の支給の対象外だ」などと説明されるケースもあるようですが、労働契約の内容や働き方によっては、休日手当の対象から外れることはあるのでしょうか。

  1. (1)非正規社員

    パートタイムやアルバイトなどの非正規社員として働く労働者や派遣社員に関しても、労働基準法は適用されます。そのため、原則として1週間につき1日または4週間で4日以上の休日を与えることが義務付けられています。つまり、法定休日に出勤した場合には、休日手当を請求することができます。

  2. (2)年俸制・裁量労働制・フレックスタイム制

    ● 裁量労働制
    労働者に仕事の仕方や時間配分を任せて、あらかじめ定めた時間を働いたとみなす制度です。そのため、平日や休日といった概念がないと捉えられがちですが、法定休日の労働に対しては休日手当の請求が可能とされます。

    ● フレックスタイム制
    フレックスタイム制は、会社が一定期間における働く時間は決めるものの、労働者が始業・終業等の時刻を決めることができますが、法定休日の労働に対しては、休日手当の支払い対象です。

    ● 年俸制
    年俸制で給与が支払われている場合も、休日出勤手当を請求できるのが基本です。

    ただし、上記の働き方に該当するケースでも、給与に休日労働分が含まれて支払われている場合には、休日に出勤しても休日手当を請求することはできないので、注意が必要です。

4、休日手当の計算方法

では、休日出勤した場合に請求できる手当の計算方法を確認していきましょう。

  1. (1)法定休日に勤務した場合の計算方法

    休日手当は、35%の割増賃金になるので、次のような計算式で求めることができます。

    「1時間あたりの賃金」×「割増率(1.35)」×「法定休日に働いた時間数」

    ※「1時間あたりの賃金」は、月給を1か月の平均所定労働時間(1年間の所定労働日数×1日の所定労働時間÷12か月)で割って計算します。


    では、具体例でみていきましょう。
    下記例で、法定休日に6時間働いたとします。

    【例】
    (給与)
    基本給25万円
    (労働状況)
    1日8時間労働/年間の所定労働日数237日間(365日から年間所定休日を引いた日数)

    ● 1か月の平均所定労働時間
    237日×8時間÷12か月=158時間

    ● 1時間あたりの賃金
    月給25万円÷158時間

    ● 休日労働の割増賃金(休日手当)
    25万円÷158×1.35×6

  2. (2)法定外休日の労働が時間外労働とみなされるケース

    休日出勤をした場合でも、法定外休日出勤であれば、休日手当は発生しません。また、労働した時間が法定労働時間におさまるのであれば、時間外手当も発生しません

    たとえば、平日8時間勤務で土日休みの週休2日制で働く場合に、月曜から木曜までの4日間8時間労働して金曜は休み、土曜に8時間労働したとしても、土曜の勤務分は「1日8時間・1週間40時間」の範囲におさまります。このケースでは、土曜の労働時間に対して、割増賃金を請求することはできません。

    しかし、月曜から金曜までの5日間8時間勤務して、さらに土曜日も8時間出勤したのであれば、法定労働時間を超過します。そのため、土曜の労働時間に対して、時間外労働として25%の割増率で計算した賃金を請求できます。

5、休日手当や残業代の請求は弁護士に相談を

休日手当や残業代が支払われていない場合や、正しい金額の支払いを受けられていない場合は、会社へ請求することが可能です。ただし、個人が会社に対して申し入れを行うのは、簡単なことではないでしょう。そのため、弁護士のサポートを受けることをおすすめします。

休日手当や残業代を請求するにあたっては、未払い分の金額を算出する必要がありますが、正確な金額を出せなければ請求することもできません。また、休日出勤をしていたことを示す証拠も必要です。弁護士は、未払いの残業代が発生しているのかはもちろんのこと、正確な金額の算出、証拠の収集方法に関する助言、サポートを行います。また、弁護士は代理人になれるので、会社と交渉を一任することも可能です。精神的なストレスも大幅に軽減できるでしょう。

会社との話し合いでは決着がつかなかった場合は、法的手段で対抗することを検討することになりますが、弁護士がついていれば安心して任せることができます。

6、まとめ

休日出勤をした場合に休日手当が支払われるかの重要なポイントは、法定休日に働いたかどうかという点です。また、労働契約などを理由に、会社から支払いを拒まれた場合は、今一度、契約の内容を見直してみることが大切です。

休日手当が支払われない、支払われているものの金額に納得できないなど、少しでも疑問を感じた場合は、ベリーベスト法律事務所 小田原オフィスまでご相談ください。労働問題の知見が豊富な弁護士が、しっかりとお話を伺った上で、適切にサポートします。

小田原オフィスは、小田原駅から徒歩2分と、会社帰りなどにもお立ち寄りいただきやすい立地にあります。また、受付時にお伝えいただければ、営業時間外の相談にも応じております。ご希望の日時を、ぜひお聞かせください。
残業代に関するご相談は何度でも無料です。ぜひ、ご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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